Obsidian道に踏み入る

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個人のノートに Obsidian を使い始めました。Obsidian はノートをローカルに置いて管理するソフトウェア。ノートといえばクラウドサービスだらけな中にあっても、存在感を放つ人気のソフトですね。これまでは Notion の「パーソナルプロプラン」を購読していたのですけど、そこから引っ越しです。ちなみに、そのさらに前は Evernote を使っていました。

Notionはデータベース管理とファイルを無制限に貼り付けできるのが大好きだったのですけど、生成関連の新機能を無効に出来ないゴリ押しが不満で、逃れる形で移行しました。ということで Obsidian を使い始めたきっかけこそ消極的でしたが、いざ使ってみると快適で長く付き合えそうです。それに、Notion では年間48ドルだった購読料も浮いて、今ではハッピーでございます。

この投稿ではObsidianの構成の話と、Notionとの比較をします。その中で用語として 「Vault」 と言うのが出てきます。これは全てのノートを保管する場所を指す、Notionでは「ワークスペース」にあたるものです。

※ パーソナルプロプランまたはそれ以上

私の構成、設定

構成の方針は、「ほとんど素のObsidain」。プラグインへの依存を少なく、設定も詰めすぎずに初期状態で使おうとしています。Notionの好きだったところを引きずりつつもObsidianのいいとこを読み解きながら構成しました。

Remotely Save で複数の端末のVaultを同期

Remotely Saveプラグインを使いVaultのバックアップと端末同士の同期をしています。起動時と5分おきに同期する設定なのですけど、クラウドを参照するのに比べると使い心地はもっさりです。同期されきる前に端末をスリープしてしまって、出先で新しいノートがないぞということもよくあります。編集したときにすぐ同期するという設定もありますが、まだ実験機能とのことで使っていません。

ノートを Dataview プラグインで表にまとめる

Dataview プラグインはVault内のノートをリストや表の形式で並べたり、文中にノートの持つ値を呼び出したりするプラグイン。動的なノートの一覧表を作る機能はNotionを引きずっている私には必須でした。このプラグインだけだとNotionの「カレンダービュー」や「タイムラインビュー」の再現は厳しいですけど、さらに追加のプラグインと合わせるとできるそうです。でも、そこまで色々と手を尽くすほどでもないかな。

また表形式にする以外でも 文中にデータを呼び出せるのを使って、ノートの末に 作成時と編集時をつけるようにしています。

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<small>作成: `$= new Date(dv.current().file.ctime).toLocaleString("ja-JP", { timeZone: "Asia/Tokyo" })` 更新: `$= new Date(dv.current().file.mtime).toLocaleString("ja-JP", { timeZone: "Asia/Tokyo" })`
</small>

「ダッシュボード」ノートをピン留め

ホームにあたるノートにいつも参照したいことを書いてピン留めしてます。

一番上には、よく使うノートブックのリンク。リンクのほとんどはDataviewを使った表のノート、子ノート群を一覧する親のノートです。

次に、最後に編集した5つのノートのリスト。これもDataview プラグインで、ちょいと書けていいですね。

```dataview
LIST file.mtime
SORT file.mtime desc
LIMIT 5
```

そして、「環境設定」として設定の値とインストールするプラグインのリストを書いています。別の端末を構成するときに参照します。

ディレクトリ分け アタッチメントはどこに置いたらいいの?

Obsidianではノートとそれに貼り付ける画像などのアタッチメントをファイルシステムにどう配置しても使うことができてしまいます。「絶対にこうしたほうがいい」という使い方がないので悩みました。

Vault
├── 📗ジャーナル
│   ├── Notes
│   │   ├── attachments
│   │   │   ├── image1.jpg
│   │   │   ├── image2.png
│   │   │   └── image3.jpg
│   │   ├── ジャーナル1.md
│   │   ├── ジャーナル2.md
│   │   └── ジャーナル3.md
│   └── 📗ジャーナルのリストビュー.md    # Dataviewを使ったNotesの中身のリスト
│

今のところはこういう形に落ち着いてます。こうしておくと目的ごとに階層に分け入りながら、ファイル一覧からねらいのファイルを見つけやすい。

このほかに考えられるもう一つの使い方として、ノート一枚ごとにディレクトリを切りノートとそのアタッチメントを一緒に入れておく運用があります。それだとノートを処分するときにアタッチメントもまとめて消せていいのですけど、ノートのネストが深くなるので使いませんでした。ゴミファイルの問題については、未使用のアタッチメントを見つけるプラグインというのがあるので、たまにそれで掃除することにします。

設定

設定はほぼ初期のままにしたいので一部だけ、これは外せないぞという所を変更しています。あれこれ変更すると端末ごとに設定を合わせるのが大変なので。

アタッチメントの保存場所を「現在のフォルダのサブフォルダ」にして、前述の階層分けに合わせています。

ホットキーは一つだけ、「 ライブプレビュー/ソースモードを切り替える」に Ctrl + Shift + E を追加しました。そう言えば、このモード切り替えはObsidianのクセのある部分ですね。慣れてきましたけど ctrl + wと押し間違えてしまうことが多い。

その他のプラグイン

ここまであげたものの他に入れたプラグインについて、かんたんに。

  • Meta Bind
    • 追加の入力欄の作成とメタデータの取り扱いをするプラグインで、Dataview を使った表のノートに「新規作成」ボタンを追加するのに使いました。
  • Paste URL into selection
    • 選択したテキストにURLを貼り付けをするとリンクにしてくれる。いろんなエディタでできるのでもはや標準動作だと思っていたので、そのままのがあってよかった。
  • Templater
    • 拡張されたテンプレート。テンプレートにノートファイルの作成日時など、動的な値を含められるようになる。

必要最小と言いながらも、やっぱりこれくらいは必要になるものです。

Notionと比べて

Obsidianも色々設定して快適に使えるようになりました。そのうえで、前のノートであるNotionを思い返して比べるとどうでしょう。

同期は不便だけど安い

Remotely Saveによる同期の処理はタイマーで実行されはするのですけど、ノートを書いた後ってアプリをぱっと閉じてしまいますよね。それだと同期されないので、ノートを閉じる前は忘れず手動でしないといけません。また、リビジョンの巻き戻しをしたいとき、ノートからは操作できずAWSのコンソールまで前のバージョン見に行かねばならない、と色々不便です。

同期にかかる料金は月額1ドル未満くらい。Remotely Saveによる同期にはAWS s3を使って400Mb弱になるVaultを保管していいます。Notionが年48ドルだったのに比べるとたいへんお安い。もちろんNotionのはサービス全体の料金です。けど、Obsidianを使って料金が発生するのがここだけだったので、運用にかかる全体の料金が年間12ドルに満たないと言えちゃいます。

安いからと言って、いくらでもVaultを膨らませれるわけではありません。クラウドを参照するのとは違って端末にVaultを置いて使うのでサイズを1Gbくらいにしとかなくては、私のスマホには入らなくなってしまいます。Vaultを小さくするために、Notionからエクスポートしたノートからアタッチメントを切り離して別のクラウドに移したり、縮小したりしたのですけど、全ノートに施すのはそれはもう大変な作業でした。いつか公式の同期サービスのObsidian Syncを試してみたいものです。

ファイルシステムの良し悪し

Notionのデータベース管理の良さに骨抜きにされていたのでObsidianの使いはじめは、ファイルシステムなんてだっせーよなあ、と思ったものです。けど、手元のファイルシステムにあるということは慣れたファイルマネージャで操作したり、スクリプトで一括処理もできて案外に都合がいいものです。一方で、先にも書きましたけど階層をどう分けるかが使い手に委ねられすぎていて悩みます。最適解がないのは居心地が悪い。

ファイルが手元にあるのは安心します。もしObsidianがこの世からなくなってもテキストエディタがあればノートの閲覧と編集を続けられます。素晴らしい。

少し違う話ですけど、Notionが恋しいのかノートの名前に絵文字をつけちゃいます。こうするとファイル名昇順で上に来るし、ぱっと見がいいのですけど、これはターミナルで操作するときにあまり都合が良くありません。

依存しているのは一つのサービスか複数のプラグインか

NotionからObsidianに移って、ファイルは手元にあるし単一のサービスに頼ることが無くなりました。でも、Obsidianではいくつものコミュニティ製のプラグインがノートを整理して描画しています。これらの欠かせないプラグインのメンテナーがいなくならないか、マルウェアが仕込まれないか、という心配はその数だけ増えることになりました。導入するプラグインはこれからも慎重に選ばなくてはなりません。

まとめ、その他

比較を並べてみると長所ばかりではありませんけど、Obsidianに満足しています。そもそも、方向性を違えたNotionの購読をやめられたことが 大きなプラスでした。

MAKE.md は使わないの?

アンタNotionに未練たらたらなんだからMAKE.md 入れなよ、と言われそう。使い勝手と見た目をNotionぽくする「MAKE.md」なるGithubで スター1.6kのプラグインがありますね。これは使わないことにしました。投稿のアイコンやヒーローイメージをつけるためにノートに無用なフィールドが足されるのは、依存を減らしてノートを簡潔に保つ目的に沿わなかったのです。

移行のときの注意

Notionでワークスペースをエクスポートするときに、言語をを日本語にしていると、Obsidianでインポートしたときに日付と日付時刻が正しく読み込まれませんでした。US英語だと大丈夫。私のワークスペースは19GBあったのでやり直しに大変な時間がかかってしまいました。

Obsidian道はこれからだ

以上がObsidianを始めた記録でした。とりとめのない日記でございますが、ここまで目を通してくださりありがとうございました。

作成者: KuniMita

イラスト, 3Dプリント, 写真, Web開発, バイク, 料理。文章の特訓に記事を書きます。

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